“LIFE SHIFT”と”会社は「1人」で経営しなさい”を読了

現日本政府が進めている「人づくり革命」の具体策を検討するため「人生100年時代構想会議」の有識者として招聘されたリンダ・グラットンの新著書”LIFE SHIFT”と本屋でその近くにありタイトルが気に入った”会社は「1人」で経営しなさい”を同時に読み終えました。この2冊は割と根底にある思想にリンクする所があって一緒に読んで正解でした。

まず”LIFE SHIFT”ですが人生100年が当たり前になる世の中では、これまで一般的だった3ステージ(教育 -> 仕事 -> 引退)人生設計から多様なキャリアを歩むマルチステージ型の人生を設計する人が増えると言っています。ここで言っている3ステージの「仕事」は新卒で入社してから同じ会社で引退まで迎えるいわゆる終身雇用をイメージするとわかりやすいです。それでは他にどのようなステージがあるかというと、”LIFE SHIFT”の中では「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」と名付けています。それぞれ簡単に言うと、「エクスプローラー」というのは多種多様な人と交流したり自己研鑽を積んで自分探しをするステージで、「インディペンデント・プロデューサー」は要は起業家ですがスタートアップに近いイメージでした。最後に「ポートフォリオ・ワーカー」は同時並行に様々な活動を行うステージで兼業を持つイメージですが、このステージはまずは一つの分野で十分社会経験を積んでそこから枝葉を伸ばすように他の活動に携わるのが現実的かと思いました。さて、”LIFE SHIFT”では資産を有形資産と無形資産に分けて、無形資産には生産性資産(所得に関係するモノ)、活力資産(肉体的精神的健康に寄与するモノ)、変身資産(人的ネットワークなど)があると書いてあり、人生100年時代において3ステージ型ではこれらのバランスを生涯にわたってとることが難しいと3世代の人物を例に説明しています。とりわけ無形資産の重要性が強調されています。お金がいくらあっても健康でなければ幸福感は減退しますからね。

並行して読んだ”会社は「1人」で経営しなさい”は、”LIFE SHIFT”で言う所の「インディペンデント・プロデューサー」向きの本かと思います。この本のタイトルは私にとって中々衝撃的で普通起業するなら会社を大きくしたいと思うものですが、全くその逆を勧められます。理屈としては、これからの日本経済は人口減少に伴い衰退の一途をたどるわけなので、その中で多くの従業員を抱えるような大企業は生き残ることが大変だということで、1人のほうがメリットあるという話です。タイトルが気に入っただけではなく、この本の著者は税理士なので1人経営で生き残るための金銭のやり繰りが具体的に書かれていて、ただ所感を述べただけの本とは違ったので購入を決意しました。具体的なロジックは本を読んでいただければですが、1人経営だと会社の数字は家計に含めて考えられるので会社を維持するには家計の純資産をプラスにし続ければいいというのが重要で、もう一つ大事なのはこの本でも無形資産だと言っています。有形資産が無くても無形資産があれば将来的な価値を多く生み出すかもしれないと書いてあり、この辺は同感です。私の優先順位の基準は「取り返し(取り替え)がつく(きく)モノかどうか」と考えているのですが、お金などの有形資産は取り返しがつきやすいですが、無形資産は取り替えがきかないことが多いと思うからです。ちなみに、この本では健康が一番大事と書いてあるのですが、そのためには人と過度な接触を避け軋轢を生まないことを勧めていました。これもユニークな考えで面白かったです。