外国為替(FX)はもちろんのこと今や株式や商品、暗号資産(仮想通貨)までバックテストできるForex Tester(フォレックステスター)ですが、3種類の購入タイプがあり初めて買う時は迷ってしまいます。
そこで本記事ではそれぞれの購入タイプの違いとトレードスタイル別のおすすめを紹介したいと思います。
なお現行バージョンは5なので以下ではForex TesterのことをFT5と略します。
3種類の購入タイプの違い
FT5には下図のとおり「ベーシック」「スタンダード」「VIP」という3種類の購入タイプがあります。
まず、これらの購入タイプの違いは過去データ(ニュースデータや価格データなど)の違いが主になります。つまりFT5のチャート描画機能などの本体機能に変わりはないということです。ただし上図の中間あたりにある「AIによるストラテジー・オプティマイザー」は過去データの違いだけではありません。これはFT5から追加された機能で自動売買プログラムのパラメータ最適化機能のことです。「スタンダード」さらに「VIP」タイプでは高度な最適化処理を行うことができます。
購入タイプ毎に主な特徴を下記に箇条書きします。
「ベーシック」タイプの特徴
- 無料の過去データのみ利用できる。
- 利用できる通貨ペアはメジャーなFX通貨ペアと金/銀しかない。
- 無料の1分足データをダウンロードできるがデータが飛んでいたりしていて荒い。
- 日足以上であれば精度の高いチャートを構築できる。
- 価格データの小数点以下が2桁/4桁しかない(現在のFX会社は3桁/5桁が主流)。例えばUSDJPY(ドル円)の場合、3桁表示であれば「100.123」のところ2桁だと「100.12」となり精度が落ちる。
「スタンダード」タイプの特徴
- 上位タイプの「VIP」と同じ860もの通貨ペアをテストできる。
- 有料の毎日更新される1分足データをダウンロードできる。
- 1時間足以上で精度の高いチャートを構築できる。
「VIP」タイプの特徴
- 全ての有料過去データを利用できる。
- 1分足以上で精度の高いチャートを構築できる。
- ディックデータをダウンロードできる。ディックデータとは1分足データ(1分間の始値/高値/安値/終値)より細かい値動きそのもののデータのこと。
- 実データに近い変動スプレッドデータもダウンロードできる。
トレードスタイル別のおすすめ購入タイプ
ここではトレードスタイル別におすすめの購入タイプを紹介します。なお「ベーシック」タイプはメジャーなFX通貨ペアと金/銀しか過去データを利用できないので、それ以外の通貨ペアをテストをしたい場合は無条件にスタンダードかVIPを選択することになります。
○ : ベストな選択 △ : 条件付きで選択もあり |
ベーシック | スタンダード | VIP |
スキャルピング | ○ | ||
デイトレード | △ | ○ | |
スイングトレード | ○ | ○ | |
長期トレード | △ | ○ | ○ |
スキャルピング
1分足未満のデータ(ティックデータ)も使える「VIP」タイプが断然おすすめです。またスキャルピングはトレード回数が多目になるためスプレッド手数料もあなどれません。したがって「VIP」タイプでのみ利用できる変動スプレッドデータを使って手数料も正確にテストに反映することをおすすめします。
デイトレード
「VIP」タイプはもちろんですが「スタンダード」タイプでも場合によっては選択の余地があります。「スタンダード」タイプでも1時間足以上のチャートは正確に描画できるので、分足は見ないスタイルであればテストにさほど支障はないと思います。
スイングトレード
スイングトレードは時間足以上の長い時間軸を使うと考えられるため、「VIP」タイプはもちろんですが1時間足以上のチャートを正確に描画できる「スタンダード」タイプでも問題ないと思います。
長期トレード
日足以上の時間軸しか見ないスタイルであれば、日足以上のチャートは正確に描画できる「ベーシック」タイプでもテストは可能だと思います。ただし、そもそもテストしたい通貨ペアが「ベーシック」プランで使えることが前提です。また無料の最新過去データはダウンロードできるようになるまで時間がかかることも留意しておく必要があります。