【FX】実チャートを使って通貨ペアの相関関係を解説

BIS(国際決済銀行)の2019年の調査によると、通貨の取引高トップ3は1位USD(米ドル)、2位EUR(ユーロ)、3位JPY(円)となります(下図参照)。

通貨シェア
[出典] Turnover of OTC foreign exchange instruments, by currency

そこで、これらの3通貨からなる3つの通貨ペアEURUSD(ユーロドル)、USDJPY(ドル円)、EURJPY(ユーロ円)は必然的に取引量が多いと考えられるため、それらの通貨ペアの関係性について本記事では考えてみたいと思います。

ドルストレート通貨ペアとクロス通貨ペア

まず最初にEURUSDおよびUSDJPYとEURJPYは毛色が違うことを押さえておく必要があります。

EURUSDとUSDJPYはドルストレート通貨ペアなどと呼ばれ、EURUSDであればEURとUSDが直接取引されます。

それに対してEURJPYは、EURとJPYの売買の際にUSDに一度交換する必要があるクロス通貨ペアなどと呼ばれます。どういうことかと言うと、EURを元手にJPYを買う場合であればEURを一度USDに交換してからそのUSDを使ってJPYを買う手順を踏みます。このためクロス通貨ペアの価格はドルストレート通貨ペアの価格から作られることになります(=2種類のドルストレート通貨ペア価格の積、以下計算例を参照)。

EURJPYの価格(114.677) = EURUSDの価格(1.08000) × USDJPYの価格(106.182)

気配値

通貨ペアの相関関係

上述のとおりクロス通貨ペアの価格はドルストレートの価格の積からなる仕組みのため、EURUSDおよびUSDJPYの相関関係に影響を受けます。相関関係というのは、例えば下図(4時間足チャート)において逆相関①と示しているEURUSDとUSDJPYの関係性は前者が下降しているのに対して後者は上昇しているので「逆相関」ということになります。「相関」しているとは両者が上昇または下降で一致している状態になります。

通貨ペア相関関係

さてEURUSDとUSDJPYの相関関係におけるEURJPYの価格がどのようになっているかを上図を使って見てみましょう。

逆相関①ではEURJPYはレンジ相場になっていると見てとれます。すなわちEURとJPYの売買が拮抗している状態とも言えます。EURUSDとUSDJPYの動きに目を移すと、前者は下降し後者は上昇しているのでUSDが買われていると考えることができます。以上より逆相関①の期間はUSDが材料となって買われているため、EURとJPYの強弱が主となって動くEURJPYはレンジ相場になっていると推測されます。

ここでEURJPYの価格はEURUSDとUSDJPYの価格の積であったことを思い出してください。EURUSDの価格が下がってUSDJPYの価格が上がればEURJPYの価格は相殺されてあまり動かないのです。

では逆相関②ではどうでしょうか。ここではEURJPYが下降しているように見えます。つまりEURが売られJPYが買われています。EURUSDとUSDJPYを見ると前者は上昇しているのでEURが買われUSDが売られていて、後者は下降なのでUSDが売られJPYが買われています。EURJPYも動いていることからUSDの材料はとぼしく、むしろJPYの買いが強くEURJPYを下落させていると考えることができます。

EURJPYの計算式からするとEURUSDとUSDJPYは逆相関なので打ち消しあってEURJPYの価格はあまり動かないように思えますが、上図の例ではUSDJPYの下落がより強かったためEURJPYを押し下げたと考えらます。

最後に相関となっているところはどうでしょうか。EURJPYは強く下降しています。そしてEURUSDとUSDJPYも下降しています。EURJPY価格は何度も言いますがEURUSDとUSDJPYの価格の積なので、この両者の方向が一致すると掛け算でEURJPYも同じ方向に大きく動きやすくなります。

まとめ

最後にまとめると、EURJPYの取引はUSDが仲介しEURUSDとUSDJPYの価格の積によってEURJPYの価格が決まるということでした。

この特性によりEURUSDとUSDJPYが逆相関だとEURJPYはレンジになる可能性があります。もしくはEURUSDとUSDJPYのどちらかがより強く動いている場合は、強い方向にEURJPYも動く可能性があります。

そしてEURUSDとUSDJPYが相関して動いているとEURJPYは同じ方向に大きく動く可能性があります。EURJPYのトレンドフォローを狙うのであれば、このようにEURUSDとUSDJPYが相関している時が狙い目だと言えます

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