本屋で平積みになっていた「勝率7割超! FXチャートの読み方 欧米投資家が好んで使うプライスアクションの教科書」という本が目にとまり最近読んでみました。「勝率7割超」という怪しい謳い文句があったので最初はあまり期待せず読み始めましたが、プライスアクションの本当に重要なパターンを厳選してまとめている辺りや私のトレード経験からの納得感の大きさなどからプライスアクション本の中で断然おすすめ1位になりました。今までプライスアクションを扱う良書と言えばボルマン本に代表される海外製の本がほとんどでしたが、ついに日本からこの分野の良書が登場したという感じです。
構成としては、前半でプライスアクションの一般論、および取り上げるプライスアクションの一覧を示しつつ各プライスアクションについて具体的に説明しています。後半でGMMA(平均期間が異なる12本の移動平均線)とプライスアクションを組み合わせたトレードの方法について事例を交えつつ説明するという内容になっています。
トレード手法はトレンドに逆らった逆張りは勧めておらず、非常にオーソドックスなトレンドフォローとなっていました。手法については後半でより具体的な説明があり、GMMAで環境認識(トレンドなのかレンジなのかなど)し、プライスアクションでより早く細かいシグナルを拾っていきエントリーに繋げる、王道中の王道手法なので廃れることはないかと思われます。
私がこの本を特に気に入ったのはダマシが最も強力なプライスアクションと位置付けている点です。FXというゼロサムゲームで生き残るためには敗北者(ダマシにあった側)の逆にいち早く立っていないといけないと考えます。ダマシがあると投げ売ってくる人やドテンしてくる人がいるので逆の方向に伸びやすいと考えられ、重要なシグナルとなるのは同感でした。実際サポートラインを一旦割ってから急上昇することなどはよく見られますので。
これからプライスアクションを学ぶ方やもう一度整理しておきたいという方にもこの本はかなり役に立つのではないかと思います。初心者の方はトレンドフォローの王道なやり方も学べて最初の一冊でもいいかもです。ただしプライスアクションを使いこなすには相当な実践経験が必要かと思いますので、本を読んだからすぐに出来るとは思わない方が良いですね。