Forex Tester Online(フォレックステスターオンライン)を買ってみた件

手持ちのPCにインストールするタイプのフォレックステスター製品をForex Tester 3(フォレックステスター3)の時代から愛用している筆者ですが、2024年にリリースされたForex Tester Online(フォレックステスター・オンライン、以下FTOと略)を購入してみました。インストール版についてレビューした記事(Link)にならって「買って良かった点」と「改善してほしい点」に分けてFTOもレビューしていきたいと思います。インストール版との違いにも触れています。

本題に入る前にFTOの基本情報だけ簡単に記しておきます。FTOはブラウザを通してFX取引のシミュレーション(テスト、検証)ができるソフトウェアです。テストできる金融商品はドル円などの通貨ペアはもちろん、金や株価指数、暗号資産など多岐にわたります。購入プランは3種類あって、月々支払うタイプから年単位のもの、そして買い切りタイプです。当然長く利用すればするほど後者のプランの方がお得になります。

Forex Tester Onlineの公式サイト
FTO_image

買って良かった点

FTOは、なんといってもブラウザ上で利用できるので、インストールする手間も高スペックのPCもいりませんし、WindowsだろうとMacだろうと環境を選ばないところが最大のメリットです。インストール版はWindows上でしか利用できなかったので、普段Macを使う筆者には嬉しいポイントでした。またノートPCでも余裕でテストできるので外出先でFXの検証ができたりします^^
しかも設定やテストの状態は自動保存されるので、異なるPCでテストを続けることもできます。
インストール版は取引対象のデータを別途ダウンロードする必要がありましたが、FTOはその必要がありません。最初からティックデータ(価格変動の最小単位)でテストできます。これも筆者にとっては、かなりのメリットでした。というのも長い期間をテストしようとするとデータ量も大きいのです。さらに、インストール版ではダウンロードできるデータの種類によって料金体系も変わり複雑なのですが、FTOの料金体系は月額/年額/買い切りの3種類しかないのでシンプルでわかりやすいです。
フォレックステスターの代名詞であるローソク足の再生スピードをきめ細かく調整できるのはFTOでも健在です。筆者にとっては必須のローソク足1つ分を戻ったり進めたりもホットキー(バックスペース)で可能です。
FTO_再生スピード
チャート・レイアウトの種類が豊富です。最大8個のチャートを同時に表示でき、下図のようなレイアウトのチャート配置を選択できます。もちろん各チャートの通貨ペアや時間足はバラバラにできます。
FTO_レイアウト
チャートの構成や図形描画などの使い勝手はTradingView(ブラウザ上でチャート表示や実際の取引ができるソフトウェア)をかなり意識していると思われます。TradingViewを使っている方は、UI(ユーザーインターフェイス)が近いので操作しやすいと思います。そうでなくても直感的にわかりやすい作りなので、マニュアルを見なくても使いこなせるのではないでしょうか。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_図形描画
チャート間が様々な点で同期します。横軸(時間軸)の移動で全てのチャートが横方向にスライドしますし、描画した図形も同一通貨ペア同士で同期します(同期させる時間足を図形毎に設定可能)。十字線もチャート間で同期するのですが、同一通貨ペアでは縦軸(価格)、横軸(時間軸)と同期して動いてくれ、異なる通貨ペアに対しては横軸だけが同期して連動してくれる優れものです。
検証ソフトではチャートの特定日時へのジャンプ機能は必須です。FTOでも下図1枚目のように「移動」ボタンをクリックすると色々な方法でジャンプできます。この中で「歴史的瞬間」によるジャンプが秀逸です。下図2枚目のように金融市場に対して大きなインパクトがあった瞬間にジャンプできるものです。これはインストール版にはなかったもので筆者のお気に入りです。
FTO_移動
FTO_歴史的瞬間へのジャンプ
注文パネルはインストール版と同様に余剰証拠金に対するリスク%を指定してロット数を調整することができます。さらに損切ラインと利確ラインは注文パネルにあるスポイトのマークをクリックするとチャート上で直感的に設定することができ、ライントレーダーには嬉しいポイントです。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_新規注文
テストの成績は統計情報(下図「プロジェクト統計」パネル)として逐一確認することができるのですが、取引履歴をCSVまたはExcelの形式でファイル出力できるのでFTO以外のツールを使って独自の分析もできます。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_統計

FTO_エクスポート

 

チャートの下部にある国旗マークをクリックすると、その時間帯のイベント情報を簡単に確認できます。いちいち過去のイベント情報を調べなくていいので重宝しています。
FTO_イベント情報

改善してほしい点

初期設定の白色背景だと検証速度の変更パネルが識別しずらいです。下図の中程にあるのが検証速度を変えられるパネルですが、背景色が白のままだと同化して見にくかったです。慣れれば大した問題ではないですが、気になる方はチャートの背景色は変えられるので変えてみてもいいかもしれません。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_検証速度変更パネル
ホットキー(ショートカットキー)を変更できないです。あらかじめホットキーは割り当てられているのですが、これを変更することができません。
また、割り当てられているホットキーが少ない印象です。例えば十字線を筆者はよく使うのでホットキーがほしいところですが、ホットキーがないので毎回ツールバーから選択する必要があります。さらに、新規注文などの取引系のホットキーも個人的にはほしいです(ただし下図2枚目のとおり右クリックメニューに取引関連のショートカットがあるのでそこまで不便ではないです)。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_ショートカット
FTO_右クリックメニュー
基本的なインジケーターは搭載されていますが、インストール版と比べると、まだその数は少ないです。また、インストール版では独自のインジケーターを取り込むこともできるのですが、FTOではそれができません。ただ使えるインジケーターの種類が今後増えていくと想像します。
(画像はクリックすると拡大します)
FTO_インジケーター
チャート左上に下図赤枠にあるようなカーソルがあるローソク足の日時と価格情報が表示されるのですが、筆者は不要だったので消す設定を探しましたが見当たりませんでした。まだ細かい設定の調整は行き届いていない印象です。

(画像はクリックすると拡大します)
FTO_価格情報

 

総評

執筆時点で、まだベータ版になっているのですが既に数千人が利用していると中の人から伺いました。利用者の意見は日々大量に集まっていると想像します(FTOから改善要望を出せます)。今後ますます機能追加や改善がされていくのではないでしょうか。インストール版ではアップデートがあった時、能動的にソフトを更新しないといけませんでしたが、FTOではその手間も不要です。そんなところもFTOのメリットです。使ってみてベータ版だから何か不便があるのかと思ったのですが、裁量トレードの検証としては十分でした(なぜベータ版としているのか謎)。

まだ発展途上な面があることは否めないと感じましたが、日進月歩で改善されていますし、現段階でも十二分にFX取引の練習や手法の検証はできるので買って損はありませんでした。

 

Forex Tester Onlineの公式サイト
FTO_image

 

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