愛用者が語るcTraderの良い点と改善してほしい点

筆者は取引プラットフォームとして普段MetaTrader(メタトレーダー)とcTraderを使っています。MetaTraderはインジケーターやEA(Expert Adviser)が自作しやすいのでオリジナルのシステムトレードのために利用しています。cTraderは最初から素早く発注できる機能が付属していたりチャートの分析ツールもデフォルトで使えるので裁量トレードに利用しています。もちろんMetaTraderと同様に無料で利用可能です。

本記事ではそんなcTraderを裁量トレードで使うにあたり良い点と改善してほしい点をあげます。なおcTraderにはデスクトップ版(Windows)、モバイル版、Web版がありますが、筆者はデスクトップ版とWeb版を主に利用しているため、この2つを中心に説明します。

cTrader_全体イメージ
cTrader(デスクトップ版) 4分割表示

cTraderのバージョン(執筆時)

タイプ バージョン
デスクトップ版 4.1.9.49625
Web版 4.1.21

cTraderの良い点

時間軸が豊富にある

デスクトップ版では、お馴染みの日足などのローソク足(2分足など種類も豊富)の他にもティック足や練行足やレンジ足を表示することができます。特にボブ・ボルマンの「FXスキャルピング」という本で一躍有名になったティック足をデフォルトで使えるところがcTraderを使う大きな理由の一つです。ただしこの本で使われる70ティック足はなぜか存在しないのでご注意ください。なおWeb版では練行足とレンジ足はありません。

cTrader_時間軸
時間軸の設定(デスクトップ版)

タイムゾーンを簡単に変更できる

プラットフォーム全体のタイムゾーンを変更できるので、チャートの時間軸や取引履歴や十字線の時間などを日本時間で確認できます。cTrader右下のタイムゾーン設定で日本時間(UTC+9)にすればプラットフォーム全体が日本時間に簡単に変更できてしまいます。ちなみにプラットフォーム全体を日本語にするのも設定から簡単にできます。

タイムゾーン
タイムゾーンの設定

クイックトレード機能が標準で搭載されている

チャートの中央上にあるクイックトレード用のパネルにマウスオーバーすると下図黄色枠のようなパネルが展開します。ここでSellまたはBuyボタンを押せば成行注文を素早く出すことができます。事前に設定しておいたpipsだけ離れた損切りと利食いも注文に設定できるのでスキャルピングにはかなり重宝しています。なおデスクトップ版ではSell/Buyボタンの下にあるロット数が書かれたボタンをチャートにドラッグ&ドロップすると簡単に指値/逆指値注文を出すことができます。しかもチャートにドロップする位置によって指値か逆指値かを自動で判断してくれます。

デスクトップ版の「クイックトレード」パネル
デスクトップ版の「クイックトレード」パネル

取引量における資金情報を簡単に確認できる

上記で紹介したクイックトレードパネルにあるロット数にマウスオーバーするとそのロット数における各種資金情報を確認できます。例えば「必用手数料」という項目ではECN口座で課される手数料を確認できたり、必要証拠金などを確認できたりします。取引量における必要資金やリスクを注文前に事前確認でき便利です。

取引量における資金情報
デスクトップ版の取引量における資金情報表示

ホットキーが使えて変更もできる

ホットキーが使えるのでサクサクと操作することも可能です。例えば筆者はチャートの4分割表示と1分割表示を行ったり来たりするのでホットキーでこれを素早くできるのが助かっています。他にも時間軸をホットキーで簡単に変更できるのも嬉しいです。なおデスクトップ版についてはホットキーを変更することができます(一部変更できないホットキーがあります)。

ホットキーの設定
ホットキーの設定

チャートをどこまでも遡れる

デスクトップ版はチャートを左にスクロールして左端までくると、ひとまとまりのチャートデータを自動で取得してチャートをどこまでも遡ることができます(Web版は左端にスクロールしても追加のチャートデータが取得されません)。しかもデータ取得は早いのでマウスホイールやホットキーの高速スクロールを使えば素早く過去まで遡れます。筆者は過去チャートの検証にこの機能は大いに役立ています。ちなみにモバイル版はチャートの拡大縮小はピンチアウト/ピンチイン、移動はスワイプすることで本当にスムーズに動きますので、チャート検証はモバイル版も使っています。

チャート分析ツールが使いやすい

水平線はもちろんトレンドラインなど様々な図形ツールは、下図黄色枠のツールバーにまとまっています。このツールバーから簡単に各種図形を作成できます。また作成した図形は右クリックで表示されるウィンドウから簡単に修正もできてしまいます。図形を作成する以外にも価格アラートの設定やチャートのスクリーンショットを撮ることもツールバーからできます。

チャート分析ツール
チャート分析ツール

取引履歴からチャート上の位置にジャンプできる

チャート上にトレードの軌跡をマークできるのですが、取引履歴をクリックするとそのチャート上のトレードの軌跡にジャンプできます。これにより取引結果の反省などをサクサクでき非常に便利です。

取引履歴からチャートにジャンプ
取引履歴からチャートにジャンプ

取引の統計情報を確認できる

プロフィットファクターや勝利した取引数や平均取引時間などを通貨ペア毎に確認することができます。現状の取引結果を客観的なデータとしてすぐにチェックできるので重宝しています。

取引の統計情報
取引の統計情報

cTraderの改善してほしい点

変更できないホットキーが一部ある

デスクトップ版はホットキーを大方変更できますが、下図黄色枠のホットキーはなぜか変更できません。特に「マウスのホットキー」は変更できるようにしてほしいです。

変更できないホットキー
変更できないホットキー

デスクトップ版とWeb版の同期はできない

別々のPC同士でもデスクトップ版同士なら設定などが同期されます。しかしデスクトップ版とWeb版では同期されないので両方使う身としては少し面倒です。

Web版では指値/逆指値のクイックトレードが使えない

デスクトップ版ではクイックトレードに指値/逆指値の機能が付いているのですが、Web版ではありません。

cTraderを使えるブローカーが少ない

cTraderを提供しているブローカーは数える程しかありません。その中でもお勧めできるのは1社だけです。詳しくは次で説明します。

cTraderを使えるブローカー

執筆時点でcTraderが使えるのは海外のブローカー数社のみで、その中で日本人にも人気があり知名度が高いブローカーはAxiory(アキシオリー)とTradeview(トレードビュー)といったところです。TradeviewはWebサイトが今ひとつ使いづらいのと過去にクレームが散見されましたので、筆者は実際に今でも利用していて特に大きな不満もないAxioryを推します。

Axioryは約定スピードやスリップページ率を開示していて非常に透明性が高いブローカーです。またディーラーが仲介しないNDD(No Dealing Desk)業者なのでノミ行為の心配はなく、出金も今まで問題なくできているので安心して利用しています。

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